ハリウッド俳優のジョニー・デップは、名誉毀損裁判で敗訴してしまったため、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズ3作目を降板することになってしまいました。
ジョニーは「公正な裁判を受けられなかった」として裁判の再審を求めています。
この裁判がきっかけとなり、『パイレーツ・オブ・カリビアン』6作目への出演も、ディズニーは難色を示しているためとのこと。
かつて『最も稼いだ男優』の称号を持っていたジョニー・デップですが、今後の収入はどうなっていくのでしょうか?
これまでの年収や映画のギャラ、今後の出演予定作品、そして破産の理由を振り返ってみます。
ジョニー・デップの年収&出演映画のギャラは?
ジョニーデップは、かつて自身の財政管理を任せていたTMG*との裁判の中で2003年から2016年の13年間に約6億5000万ドルを稼いでいたことが公開されました。
平均で年間5000万ドル稼いだことになり、1ドル100円で単純計算すると、その額はなんと50億円。
2016年までの13年の間、おおよその年収は50億円だったと言えますね。
*TMG = The Management Group (ハリウッドの管理会社)
当然、俳優は固定給ではないため、決まった「年収」と言うものはありません。
出演した作品やその数によって大きく変わってきます。
なので、出演映画の出演料を見ていくと、収入が見えてきます。
2016年までの13年間で公開された映画のギャラは?
一般に公開されたジョニー・デップ出演映画のギャラはいくらだったのでしょうか。
- 2003年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』で「ジャック・スパロウ」として初めて登場したジョニーは、
1,000万ドルを稼ぎました。
- 2作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(2006年公開)の基本給は2000万ドルでしたが、成功報酬として4,000万ドルで、
合計6,000万ドルを稼ぎました。
- 3作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(2007年公開) からは
合計5500万ドルを稼ぎました。
- 2010年の『アリス・イン・ワンダーランド』の高い成功報酬率だったため、世界中で10億ドルの興行収入を得たことで、
合計5500万ドルの稼ぎました。
- その他には、2005年公開『チャーリーとチョコレート工場 』で
1800万ドル。
- 『ツーリスト』(2010年公開)で
2000万ドルを稼ぎました。
参照元:https://www.celebritynetworth.com/
「最も稼いだ男優」というのギネス世界記録を持ったことがある
2009年6月~2010年6月までの1年間で7500万ドル(約75億円)を稼いだとして、2011年9月に発表された「2012年版ギネス世界記録」で「最も稼いだ男優(Highest paid actor)」に認定されたほどです。
この記録は、塗り替えられてしまったので、現在のギネス記録には存在していません。
2016年までは、1年あたり平均で5000万ドル稼いでいたわけですが、その中で一番稼いだ年が2009年~2010年の期間でした。
2016年には「最も稼いだ男優」ランキングで第5位
また、2016年には米フォーブス(Forbes)誌発表、「最も稼いだ男優」で、ジョニー・デップは4800万ドルを稼ぎ5位にランクインしました。
とにかく、2000年代後半~2010年代前半のジョニー・デップは、イケイケどんどんと、ガッツリ稼いで、フィーバーしてた時代だったわけです。
2017年以降の収入は?
それでは、2017年以降の収入はどうなっているのでしょうか?
2017年~2020年までの出演作品と出演料について、公開されている物を調べてみました。
公開年 | 邦題 原題 |
役名 | 報酬 |
---|---|---|---|
2017 | パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales |
ジャック・スパロウ | 約8200万ドル |
オリエント急行殺人事件 Murder on the Orient Express |
エドワード・ラチェット | 未公開 | |
2018 | 名探偵シャーロック・ノームズ Sherlock Gnomes |
シャーロック・ノームズ | 約2,000万ドル |
グッバイ、リチャード The Professor |
リチャード・ブラウン | 未公開 | |
ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald |
ゲラート・グリンデルバルド | 未公開 | |
シティ・オブ・ライズ City of Lies |
ラッセル・プール | 約2,000万ドル | |
2019 | ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏 Waiting for the Barbarians |
ジョル大佐 | 未公開 |
2021 | ミナマタ Minamata |
ユージン・スミス | 300万ドル |
2022 | Fantastic Beasts 3 (仮タイトル) | ゲラート・グリンデルバルド(→降板) | 1600万ドル |
未定 | Puffins (原題) | ジョニー・パフ(声の出演) | 未公開 |
2017年公開の『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』では、なんと約8200万ドル(82億円)で出演契約したとの報道があります。(参考元:https://www.theage.com.au/)
2018年公開、日本では劇場未公開のアニメーション映画『名探偵シャーロック・ノームズ』へのシャーロック・ノームズ役で声出演した際には、約2000万ドル。
同じく2018年、アメリアのヒップホップ業界で、実際に起きた殺人事件を基にした『シティ・オブ・ライズ』で主演として約2000万ドルの報酬を得ています。
ギャラが支払われるタイミングというのは、映画の撮影開始頃からが始まるのが普通で、一括払いか分割払いか、興行収入に応じた成功報酬などの様々な契約条件でも変わってきます。
なので、正確な年収はというのは分かりませんが、2017年、2018年も5000万ドル以上稼いでたと思われます。
ジョニーの暴行疑惑で『ミナマタ』のギャラが半額に
2021年公開予定の日本の水俣病を題材にした『ミナマタ』では、もともと600万ドルであったギャラが、『シティ・オブ・ライズ』の撮影中にジョニーがスタッフに対して暴行を加えたとの疑惑での裁判沙汰が飛び火し、制作会社の要望でジョニーのギャラは半額の300万ドルとなってしまいました。
ジョニーは『ミナマタ』で主演を演じているのですが、インディーズ映画と言うこともあり、ギャラは元から多くない契約となっていたとのことです。
(参考元:https://www.cheatsheet.com/)
2020年は『ファンタスティック・ビースト3』降板でもギャラ1600万ドルが満額支払われる
2022年公開を予定している『ファンタスティック・ビースト3』では、前作に引き続きゲラート・グリンデルバルド役としてキャストされていたジョニー・デップ。
しかし、ジョニーは元妻アンバー・ハードへの家庭内暴力疑惑の報道でイギリス「The Sun」誌を相手取り、名誉毀損裁判を起こすも2020年11月に敗訴してしまいました。
これを受けて、本作の製作会社ワーナー・ブラザーズは今後の社会的な批判を恐れてか、ジョニーへ本作からの降板を要求したのです。
既に、撮影が開始していた『ファンタスティック・ビースト3』で、ジョニーは1シーンだけ撮影を終えていました。
しかし、「ワーナー・ブラザーズの要望に敬意を表し同意した」とジョニーは自信のインスタに投稿し、降板することを世間に報告しました。
実はジョニーとワーナーは、「Pay or Play契約」といって俳優に対して映画の製作着手に関係なくギャラを支払うことを約束する契約を結んでいたため、ギャラの全額1600万ドルがジョニーに支払われたとされています。
2021年以降では新作アニメーション映画『Puffins』に声で出演
2021年以降の出演情報では、3Dアニメ『Puffins』が2020年6月に制作発表され、ジョニーデップは主人公である5匹のツノメドリの1匹ジョニーパフの声を担当します。
この作品でのギャラは公開されていませんが、新型コロナの影響で劇場公開の計画が中断となってしまい、興行収入は期待できません。
DV報道裁判敗訴がジョニーの収入に与える影響は?
ジョニーは元妻アンバー・ハードへの家庭内暴力疑惑で「ワイフ・ビーター」(妻を殴る夫)と報道されたことで、イギリス「The Sun」誌を名誉毀損で訴えた裁判。通称DV報道裁判では、2020年11月に敗訴してしまい、事実上、「ワイフ・ビーター」という烙印を押されてしまったジョニー。
ワーナー・ブラザーズの『ファンタスティック・ビースト3』で降板させられてしまい、今後もワーナーからの出演依頼は当分無いと言われています。
さらに、ディズニーの『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの6作目では、元々、出演を女性にしたストーリーとするため、「ジャック・スパロウ」はカメオ出演するとのアイデアがあったのですが、DV報道裁判で敗訴したことで、その話もなくなったようです。
2021年以降のジョニー・デップの収入、特に映画出演から得る収入は、数年前までに比べて、非常に厳しい状況になることが予想できます。
現時点で出演予定作品は、アニメ映画の『Puffins』ぐらいしか発表されていませんし、今回のDV報道裁判敗訴の影響で、しばらく出演オファーが来ない可能性も大いにあります。
今回のスキャンダルで、本当にジョニーの新しい出演映画を見ることが無くなるかもしれません。
ジョニー・デップの破産の理由
2017年に「破産の危機」と報道されたジョニー・デップ。
その報道では、2016年までに映画出演で稼いだ6億5000万ドルは、ジョニーの浪費癖によって底を付いてしまったというのです。
ジョニーの浪費癖は、2017年1月、かつて財政管理を任せていたTMGに対し「過失、詐欺、不正行為、信託義務違反」を告訴し起こした裁判の中で、TMG側から公開されました。
ジョニーがイケイケだった頃のお金の使い道
ジョニーは、どんなことにお金を使ってきたのか、TMGが公開した内容の一部はこちらです。
- 南フランスのシャトーやバハマの小島を含め世界各地に所有する14軒の屋敷に7500万ドル
- 45台の高級車に数百万ドル
- 豪華ヨットに1800万ドル
- プライベートジェット機の維持費に20万ドル
- 世界中にフルタイムのスタッフ40名を月30万ドル
- 世界各地から取り寄せる高級ワインの購入費として3万ドル
- 70本以上のギターコレクション
- ハリウッド関連のコレクターズアイテムと保管するために12の倉庫に何百万ドル
- 有名アーティストの作品などアートコレクションを200点超に何百万ドル
- 長年にわたり、「友人、家族、一部のスタッフ」のために払う1000万ドル
- 友人の作家ハンター・S・トンプソン願いであった、遺灰を「特製の大砲でまき散らす」ために500万ドル
そして、2013年までにジョニーの生活費は月額200万ドル(約2億円)まで膨れ上がったとのこと。
2016年には、ジョニーは元妻アンバー・ハードへの離婚和解金として700万ドル(約7億円)を支払っています。
更にジョニーは、TMGが資産管理していた期間の17年間に渡って、ジョニーの代わりに納税していなかった1億ドルを払ったとのこと。
そんなこんなで、財政は「悲惨な状況」となってしまったというのです。
ジョニー・デップの純資産額
CelebrityNetWorth.Comによると、ジョニーデップの純資産は2020年時点で、1億5000万ドル(約150億円)です。
CelebrityNetWorth.Comとは、有名人の総資産と財務活動を掲載するアメリカで長年使用されているWebサイトで。
世の中に公開されている情報に基づいて「独自のアルゴリズムを適用」し、さらに金融アナリストに確認することで純資産を計算しているので、大きなズレはありません。
「破産の危機」と言われていたジョニー・デップですが、まだ1億5000万ドルも資産があるの?と少し驚きました。
一時期は4億ドル(約400億円)を超える資産があったのですが、浪費が激しいため、2020年の初めには2億ドルになり、2020年後半には1億5000万ドルまで下がっています。
これまで買った物が資産として言われているのですが、資産の一部を売却することで資金を調達しているというニュースもあります。
収入も減っていく中で、この先も「月額200万ドル(約2億円)の生活」のような高額な生活費を払い続けて行くことは、なかなか厳しいですよね。
今の『最も稼いだ男優』たちのお金の使い道は?
ジョニー・デップも『最も稼いだ男優』だったわけですが、今の『最も稼いだ男優』たちは、どんなお金の使い方をしているのでしょうか?
2020年8月に米フォーブス(Forbes)誌が発表した、2019年6月~2020年6月までに『最も稼いだ男優』上位2人の「お金の使い道」を紹介します。
1位 ドウェイン・ジョンソン(8750万ドル)
2位 ライアン・レイノルズ(7150万ドル)
結論から言うと、お二人とも「世の中のためになる」ような物、サービスを作るためお金を使っていて、そこで更にお金を稼いでビジネスとして、やり繰りしています。
自分で稼いだお金ですから、ジョニーのように個人の贅沢を求めて、お金を使おうがそれは自由ですよね。
ジョニーは裁判沙汰になったことで、自分のプライベートが公開されてしまい、それは非常に気の毒ではあります。
ドウェイン・ジョンソンやライアン・レイノルズも、プライベートではどんな豪遊をしているかはわかりません。
ただ、自由に使えるお金だからこそ、何にお金を使っていくのか、その人の生き方が見えてきますよね。
ドウェイン・ジョンソンのお金の使い道
『ワイルド・スピード』シリーズで知られているドウェイン・ジョンソンは、2016年のこの『最も稼いだ男優』ランキングで首位を手にして以降、ランキングの常連です。
純資産は3億2000万ドル。
ドウェインのお金の使い道には、大きく二つ、「会社設立」と「慈善活動」があります。
会社の設立
2012年、元妻であるダニーガルシアと共同で、メディアに関わる制作会社「SevenBucks Productions」を設立。
テレビ、映画、新興技術、デジタルネットワークのオリジナルコンテンツを制作する会社で、ドウェイン自身が出演する映画だけでなく、数多くの映画の製作会社として実績も作って来ています。
ドウェインは、会社設立にお金を使い、そこで更にお金を稼いでいる実業家です。
慈善活動
2006年にドウェインジョンソンROCK財団を設立し、医学的障害などで入院している子供たちの生活と自尊心を豊かにし、力を与えるように設計されたプログラムを提供しています。
2007年、ドウェインはマイアミ大学に100万ドルを寄付し、学校のフットボール施設の改修を支援しました。
ライアン・レイノルズのお金の使い道
『デッドプール』(2016年公開)などのアクションコメディー映画で知られているライアン・レイノルズ。
純資産は1億5000万ドル。
ライアンのお金の使い道は、「自宅」と「株式投資」です。
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不動産(自宅)
2012年、ライアンは、ニューヨーク州ウエストチェスター郡にある家を600万ドル(約6億円)で購入しました。
株式投資
2018年、ライアンは、ポートランドで製造されたプレミアムリキュールである「Aviation Gin」を販売しているDavosBrandsという会社の株式・所有権を取得。
2020年8月に、一部の株式を最大で6億1000万ドルで売却されました。
2019年11月、ライアンは、アメリカで急成長を遂げている格安SIMの会社「Mint Mobile」の過半数以上の株式を購入。
ライアンは、「Aviation Gin」や「Mint Mobile」の売り上げを上げるために、それらの広告には積極的に出演しています。
(参考元:CelebrityNetWorth.Com)
まとめ
ジョニー・デップの年収は2016年までは、平均で5000万ドル=約50億円でした。
2019年以降は、出演作品が激減していて、ジョニーの収入はどんどん減って行くだろうと想像が付きます。
それでも、これまで買ってきた不動産や貴重な物などで、純資産は1億5000万ドル(約150億円)あるとのこと。
生活コストを落とせずに、朽ちていくのではないか、と心配になってしまいます。
今ある資産で立て直して、また多くの映画で活躍できるのか、これからどんな人生を歩んでいくのか気になりますね。